昨年行われた大阪城・西の丸庭園での野外ワンマンライブ「お城でライブができる喜びを皆で分かちあおう〜あれ?大阪、いつの陣?〜」にて発表された、レキシ・池田の故郷である福井県は鯖江市での凱旋ライブ。その本公演である野外ワンマン 「レキシ10周年!凱旋ライブ!!『レキシのライブに遊びに来(き)ねの〜〜』」が、4月29日、鯖江市は西山公園、芝生広場にて行われた。

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「北陸は晴れる日が少ないから、それが野外ライブをやる上でちょっと不安」と、レキシFC会報「レキシ研究報告書 其の三」でのインタビュー時に池田は余談として話していたが、この日の鯖江は春うららという言葉を通り越した、夏の陽気を思わせるような雲ひとつ無い快晴! 西山公園の名物であるツツジは満開に咲き乱れ、これまた名物の西山動物園で飼育されているレッサーパンダも暑さでうだり気味なほど。

そんな雨の心配をまったくする必要のない上天気に、会場には早い時間からレキシグッズを身に着けたファンが集い、物販で購入したグッズを開いたり、この日の特設フードコートである、池田の実家が経営していた飲食店から名前をとった「コトブキ食堂」で販売された、鯖江名物「サバエドッグ」や、福井名物のソースカツ丼などをつまんだりしながら、ピクニック気分で開場を待つ姿が多く見られた。

そして開場し、6,500人ソールドアウトの観客に向かって鳴らされる法螺貝の音と、それに続いて響く“KMTR645”のリフ。そのブレイクダウンに合わせて巨大オルゴールの中からステージに登場したのは、まずはお馴染みのイルカというのっけからのボケもあり、続いて登場した池田は「はい来た!そしてただいま鯖江!最後まで楽しんで帰ってね!」と客席に呼びかけ、そのまま“KMTR645”で初っ端から会場に解き放たれたイルカと共に飛ばしていく。

「みんな!拳を上げて!」と、ビートに合わせて観客にフィストアップを求めながら、その光景が広がるやいなや「その動きダサい!鯖江ダサいよ!」とファンに突っ込むという、ひどいマッチポンプ具合を見せての“KATOKU”。続く“姫君Shake!”では、ドラムリフにNHK大河ドラマ「西郷どん」のパワープッシュソング“SEGODON”を織り込むなど、アプローチの幅広さを形にした……のだが、鯖江をはじめ、福井県内で展開していたスーパー「ユース」のCMソングも、同時に“KATOKU”の中に織り込んだのだが、こちらは県外からの観客も多かったこともあり、伝わりがイマイチ。歌いながら「あれ?これは構成を考えないかん……」と本音がだだ漏れのボヤきもマイクを通して客席に伝えていた(「ウケたらもう少し織り込む予定だったけど、伝わらなさすぎてちょっと焦った。あそこで気づいてなかったら危なかった……」とはライブ後の池田談)。

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「じゃあ、ここで鯖江に年貢を納めようかな。鯖江といえばと眼鏡でございますから、眼鏡をかけたこの人と一緒に年貢を納めましょう!足軽先生!」と、足軽先生(いとうせいこう)を呼び込み、“年貢 for you”。カンカン帽を被った足軽先生に「それは月亭可朝さんにしか見えない!」と茶々を入れつつ、会場全体で「年貢」コールからの「一揆」コールを起こし、「地元の人に『なんか西山公園通りかかったら<年貢>と<一揆>って声が聞こえたんだけど、何あれ?』って言われたらどうしよう」と、地元に不穏の種を蒔く池田。十二単衣を羽織っての“SHIKIBU”では「お隣の街(越前市)には、紫式部公園がありますから!」と、地元を意識したコメントも織り込んだ。

「ツツジも予定より早く咲いてくれたそうです。ツツジありがとう!」と、ツツジへも感謝してしまうほど、地元への凱旋に感謝の気持ちが止まらない池田。MCパートも含めて、全体的に福井弁が多く出ていたことからも、この日へのひとかたならぬ思いと、地元への愛情を感じさせられた。

一旦バンドが下がると、「もうひとりゲストを呼びましょう!ニセレキシ!」と呼び込まれるニセレキシことU-zhaan 。しかし「鯖江の人は誰か知らないでしょ。葉加瀬太郎さんです!(公園の上から見ている)おばあちゃん、葉加瀬さん来たよ~。でも、どっちが葉加瀬さんか分からないかもな~」と、ニセレキシがタブラのチューニング中に一人漫談を始める池田。そのままチューニングを声で邪魔するなど、池田のボケにニセレキシがツッコミまくるという、フリースタイル漫才を10分近く繰り広げた。さすがにニセレキシがツッコミ疲れてヘトヘトになって来たところでやっと“Takeda’ ”に展開したが、途中では福井県立恐竜博物館の宣伝をぶっこむなど、相変わらず一筋縄ではいかない展開で、ニセレキシと観客を翻弄しまくった。

そしてバンドメンバーが戻ってくると、「実は、この公園には古墳群(西山公園古墳群)があるんですよ。この公園自体が古墳みたいなもんだから」と、子供の頃から縁がある地元の古墳群を紹介しながら“古墳へGO!”へ流れ、ニセレキシ、元気出せ!遣唐使(渡 和久 from 風味堂)と共にマツケンサンバのダンスも見せ、カラフルに楽曲を広げていく。そのまま“salt & stone”では、ニセレキシのタブラと蹴鞠Chang (玉田豊夢)のドラムセッションも展開し、バンドと会場のテンションも最高潮に。

笑いと音楽で息もつかせぬ展開に、続くMCでは「一回休憩する?なんならうちに泊まる?でもこんなに入らんわ~。2階入れても無理や~」と、地元ならではのMCと、観客への気遣いを見せる池田。

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そして“最後の将軍”のピアノのイントロが響くと、再び巨大オルゴールの蓋が開き、まさかの森の石松さん(松たか子)の登場!?……かと思ったら、着物姿の「やつたかこ」(やついいちろう)が歌いながら現れ、会場は「スン……」となり、今回もレキシの大型ライブでお馴染みの「出落ち、かつ、スベりキャラ」という損すぎる役回りを担わされるやつい。担わせた池田も「ごめんね、やっつん」とニヤニヤしながら謝り、やついも「謝らないで!ホントにそう思われちゃうから!」という、おなじみの一連の展開をみせつつも、その後はきっちりと“最後の将軍”をエモーショナルに歌い上げる。

本編のラストでは、元気出せ!遣唐使の弾くピアノをバックに、「今日はどうも暑い中、ありがとうございました。40年ちょっとのレキシを作ってくれた鯖江に感謝します。そして凱旋公演を西山公園でやるなんて、なんかこっ恥ずかしいし、柄でもないし、『俺はいいよ~』なんて思ってたんだけど、こうやって開催して、たくさんの皆さんに来て頂くと、ホントにやって良かったと思います。僕にとってはみなさんが故郷だから、みなさんが俺にとっての鯖江であり、みんなの事をこれから鯖江たちって呼ぶから!みんなのところにいつでも帰るから!」としっかりと6,500人の「鯖江たち」に語りかける池田。 そのエモーショナルなMCと「みんなで武士って言って帰ってね!」というセリフから、“きらきら武士”へなだれ込み、「ここでこの曲が歌えるのが、こんなに嬉しいとは思わなかった!」と感極まりながら“きらきら武士”を熱唱し、池田はステージを降りた。

アンコールでは、なぜか元気だせ!遣唐使による、西山公園や鯖江市の紹介や、レキシと関わった10年も振り返るという意外と中身の濃かったソロトークに続いて、「西山公園から『レキッサーパンダ』が逃げ出した」というアナウンスが。そしてレキッサーパンダが書いた手紙を読み上げる足軽先生とニセレキシ。その手紙には「上野のシャンシャンとレキッサーパンダ、どっちが好き?そして縄文土器と弥生土器、どっちが好き?」という謎の文言が書かれていた事が足軽先生から明らかになる。 しかし、レキッサ—パンダの格好で登場した池田は、それまでの下りに全く触れることなく、レキッサーパンダの格好を拾うこともなく、いきなり“狩りから稲作へ”を歌いはじめる。会場では数多くの稲穂が揺れ、池田の凱旋を更に祝った。

途中ではニセレキシのタンバリンによるドラムンベースという超絶技巧もはさみつつ、ブレイクダウンでは、レッサーコールを誘導するレキッサーパンダ。しかし、それを許さない男がいた。それはキャッツの格好に着替えたやついいちろうならぬ「キャツイイチロウ」。「よくあんなに滑ったのに出てこれたな!」と、自分が滑らしたのに鬼のようなコメントをする池田を制して、無事おなじみの「キャッツ」コールへの誘導に成功すると、「歴史ブランニューデイ」のMVでもお馴染みの鯖江市長と共に鯖江市のゆるキャラ「ちかもんくん」と「さばにゃん」も登場。同時にステージにはこの日の登場アーティストがすべて登場し、“狩りから稲作へ”を合唱していく。終わるのが名残惜しいのか、ふざけ続ける池田だったが、最後は「鯖江が好き」と歌詞を変え、大団円を迎えた。

しかし、鳴り止まないアンコールの声に押されて、ここからはセット・リストにも乗っていなかった、ダブル・アンコールがスタート。そして「もう一回盛り上がる曲やるよ!終わったらさっさと帰ってね!」と、“きらきら武士”を披露し、会場は再び一体となった。

子ども席で起こった親子での合唱や、壮観な稲穂の揺れなど、終始アットホームで清々しい空気が流れ続けた鯖江凱旋ライブ。このハッピーで心地よい空間と楽しさを生み出したのは池田であり、その彼を育んだ鯖江だということをしっかりと感じさせる、充実の2時間半の凱旋公演は、こうして幕を閉じた。

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セットリスト

1. KMTR645
2. KATOKU
3. 姫君Shake!
4. 年貢 for you
5. SHIKIBU
6. takeda’
7. 古墳へGO!
8. salt & stone
9. 最後の将軍
10.きらきら武士

EN1. 狩りから稲作へ
EN2. きらきら武士

バンドメンバー

Gt:健介さん格さん(奥田健介 from NONA REEVES)
Piano&Cho:元気出せ!遣唐使(渡和久 from 風味堂)
Ba:御恩と奉公と正人(鈴木正人 from LITTLE CREATURES)
Dr:蹴鞠Chang (玉田豊夢)
Sax & Flute: TAKE島流し (武嶋 聡)
Trumpet: 元妹子 (村上 基 from 在日ファンク)

スペシャルゲスト

足軽先生(いとうせいこう)
ニセレキシ(U-zhaan)
やついいちろう

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