稲穂の日

稲穂の日

稲穂の日

キャッツの日

 明けて翌日〈キャッツの日〉。今回の武道館はツアーの内容を踏襲したものなので、2daysとはいえ1日目と2日目はあまり変わらないのだろう……と思っていた。ところが全体の大筋の流れは共通しているものの、セットリストは大幅に変えてきていた(1日目のMCで池ちゃんは『ほとんど同じ』と言っていたのに、ニクいことする!)。たとえばメドレーのコーナーなども、「妹子なぅ」「やぶさめの馬」「LOVE弁慶」(『妹子の馬LOVE』)とラインナップが変わっていて、あの複雑な展開のメドレーをもう1パターン用意していたのか!と驚き、そのやりすぎなサービス精神とメンバーの対応力には脱帽だ。
 そして1日目だけかと思われていたスペシャル・ゲストのニセレキシ(U-zhaan)は、なんと2日目にも登場!1日目は池ちゃんの容赦ないボケ連発と自由すぎるアドリブに翻弄され気味なU-zhaanだったが、2日目はどっしり構えて御館様を迎え撃つ。1日目よりも余裕を見せながら「Takeda'」を演奏するU-zhaanに対して、さらに予想外のアドリブをぶっ込む池ちゃん。スリリングながら完成度の高い「Takeda'」セッションが成功すると、感嘆混じりの大歓声が送られた。この日はU-zhaanを交えて「古墳へGO!」も演奏。ここでも素晴らしいタブラのソロを聴かせたのだが、さすがレキシのライヴはカッコいいまま終わらせない。曲はいつしか「マツケンサンバ」に変わり、池ちゃんに無理矢理前に出されたU-zhaanも一緒に踊り出すという貴重な光景が繰り広げられた。
 さらには貴史と和久のイチャイチャTIMEも楽曲が「古今 to 新古今」に変わり、合間にスティービー・ワンダーの「サー・デューク」が挿入されたりと、どこまでも楽しさを追求していく〈キャッツの日〉。胸に染み入るバラード「墾田永年私財法」でブルージーなギター・ソロを聴かせる健介さん格さん(奥田健介)、「憲法セブンディーン」で超絶技巧なベース・ソロを見せつけた御恩と奉公と正人(鈴木正人)、切れ味の鋭いフレージングで魅せる元妹子(村上基)など、腕利きが揃ったメンバーそれぞれの見せ場も挟みながらライヴは進み、あっという間に終盤へ。
 ある意味で今回のツアーの集大成といえるのが「刀狩りは突然に」。曲の後半、いつの間にか「ラブ・ストーリーは突然に」に変わってしまう、不思議の国ならではの〈魔法〉がかけられてしまう。何度やっても「刀狩りは~」から「ラブ・ストーリーは~」に〈突然〉変わってしまうボケ(いわゆる天丼)もずっとツアーでやり続けてきた成果か、ネタとしての精度が最高に高まっていた。そして「きらきら武士」で金銀テープが舞い散り、本編は終了した。

 そしてアンコールはもちろん池ちゃんとメンバーが〈稲穂の妖精〉たちに変身して、「狩りから稲作へ」を披露。ライジングサンの時にTwitterのトレンド入りしたと噂の〈稲トラソウル!〉も飛び出しながら、キャッツ封印~メンバーと一緒に肩を組んで踊るまでのくだりが再現されると、ふたたび大稲穂様が降臨!しかし1日目はちょっとぎこちなかった大稲穂様の動きも軽やかで、妖精らしく飛び回る姿(1mほど浮いたように見えただけだが)まで見せたりと、すべての場面で前日とは違った楽しさを味わってもらおうという、レキシのエンターテイナーとしてのこだわりを感じさせた充実のライヴとなった。
 池ちゃんは途中のMCで「おかげ様でレキシも10周年。私一人のものではございません。メンバー、スタッフ、そして(客席を一人ずつ指差しながら)あなた、あなた、あなたのおかげです」と感謝の気持ちを伝えた。池田貴史本人の類稀なる才能とセンス、そして人一倍の頑張りはもちろんだが、サポートするミュージシャン、スタッフ、そしてファンと一緒に育て上げてきたのが〈レキシ〉という存在なのだろう。10周年という節目の年に、大阪城での単独野外ライヴ、そして武道館2daysを含むロングツアー成功という大きな実りを結んだレキシ。しかし御館様はこの恵まれた状況に慢心せず、この先も全力で我々を(そして自分自身を)楽しませるべく、あらゆる努力を惜しまず、奇想天外なチャレンジに挑み続けてくれることだろう──だって昔から「実るほど頭を垂れる稲穂かな」って言うじゃないですか。ねぇ、大稲穂様。

※写真をクリックすると別ウィンドウで表示します
setlist,セットリスト M1. KATOKU
M2. 年貢 for you
M3. KMTR645
M4. 妹子なぅ〜やぶさめの馬〜LOVE弁慶
M5. SHIKIBU
M6. Takeda' with U-zhaan
M7. 古墳へGO! with U-zhaan
M8. 最後の将軍
M9. 古今 to 新古今
M10. 墾田永年私財法
M11. 憲法セブンティーン
M12. 刀狩りは突然に
M13. きらきら武士

EN. 狩りから稲作へ
member,バンドメンバー Gt:健介さん格さん(奥田健介 from NONA REEVES)
Piano&Cho:元気出せ!遣唐使(渡和久 from 風味堂)
Ba:御恩と奉公と正人(鈴木正人 from LITTLE CREATURES)
Dr:蹴鞠Chang (玉田豊夢)
Sax & Flute: TAKE島流し (武嶋 聡)
Trumpet: 元妹子 (村上 基 from 在日ファンク)
guest,スペシャルゲスト ニセレキシ(U-zhaan)
やついいちろう

稲穂の日

back,戻る

稲穂の日

back,戻る

top