年を追うごとに、回数を経るたびにライヴの動員人数を増やし続けるレキシ。アルバム「ムキシ」のリリースに連動した全国17ヶ所、18公演を展開した「レキシ TOUR2018 まんま日本ムキシばなし」の追加公演となる「レキシ TOUR2019 まんま日本ムキシばなし」は、横浜アリーナ2DAYSと大阪城ホールという大会場での開催となった。今回はレキシのワンマン史上でも最大級となった横浜アリーナ公演2DAYSの模様を、1日目と2日目の内容を織り交ぜる、いわばリミックス形式でお届けしよう。

平日にもかかわらず、新横浜駅、もしくは菊名駅からレキシ・グッズである稲穂をバッグやリュックサックからはみ出させて、横浜アリーナに向かう姿が数多く見られた両日。会場に到着すると、最近では恒例となった歴史人達からの公演を祝う花輪が出迎えてくれる。今回はアルバムに縁のある西郷隆盛、石川五右衛門、清少納言、そして横浜といえばマシュー・ペリーの4人から花輪でインスタ映えを狙ったたくさんのファンが撮影をしていた。グッズ売り場にも開場前から多くの人が集い、今回のライヴへの期待度の高さを伺わせる。

開演となり、満員となった会場の明かりが消えると、恒例の法螺貝の音色とともに、ステージ・スクリーンには「稲穂の神様」の文字が。そしてシングル「S & G」M-2に収録された『BANASHI』に登場した吾作とおっかぁに扮した池ちゃん、稲穂の神様に扮した色黒ホモ・サピエンス(ロバート秋山)が映像に登場。「なんか色々つまんなくなっちゃった。稲とかどうでもよくなっちゃった」という、雑すぎる理由で稲を実らせないようにしてしまう神様と、神様を喜ばせて、なんとか稲を実らせて貰えるように、ライヴを開く吾作というストーリー・ラインがここで明らかになる。

ライヴは『SEGODON』でスタート。ステージ中央後方のポップアップから登場した池ちゃんは、レキシ・ファンで満員となった横浜アリーナを見て、思わず「すげーな、おい」という感嘆の言葉を漏らす。そのままオーディエンスとともに拳を上げ、「SEGODON」コール・アンド・レスポンスも展開し、初手から会場との一体感を高め、ライヴは加速していく。

クライマックスっぽい派手な曲締めに乗せて、「どうもありがとうございました!レキシでした!また会いましょう!」とライヴをいきなり終わらせようとするが(お約束)、伊藤に行くならヒロブミ(伊藤大地)の叩くドラム・ブレイクに乗せて、曲は『なごん』につながる。カラフルな楽曲で会場の温度も更に高まり、曲のラストを池ちゃん自らヴィブラスラップを叩いて締める。……が、ステージからの奥行きがある横アリ。その残響音も長く響き、ヴィブラスラップを溜めて溜めて……カーン!と何度も叩き、その残響を楽しみ続ける池ちゃん。最後は「いつまでやるんや!」とセルフツッコミ。「横アリー!」と呼びかける声や、観客からの声もかなり深く響き、「音の時差スティック・マイヤーがスゴい! スゴすぎてちょっと笑けてきた」と、横アリならではの環境を楽しみ始めていた。

そして一日目の『年貢for you』には紅白の裃に身を包んだ足軽先生(いとうせいこう)が登場。曲間では「せっかくですから足軽先生っぽいブッコミを」という池ちゃんの無茶ぶりに、昨年公開のクイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」で話題になった曲「We Are The Champions」で返す足軽先生と、それにしっかり合わせるバンド隊とのコラボなど、池ちゃんのお株を奪う対応力はさすが足軽先生とレキシ・バンド。池ちゃんも負けじとグッズの俵クッションを客席に投げ込む。推定飛距離20メートル。さすが元ソフトボール部。

「ちょっと1stアルバムの曲やっていいですか?どうせみんな『きらきら武士』しか知らんと思うけど」と、謎の愚痴を挟んでから展開したのは『Let's忍者』。一日目にはシャカッチ(ハナレグミ)が忍者の服装で登場……なのだが、マイケル・ジャクソンばりのスパンコールでギラギラな仕様になっており、忍者が身を隠すには不向きな光り方のような……。披露された『Let's忍者』は、懐かしいというよりも、いま聴いても新鮮な驚きを感じさせられ、途中では同じく1stアルバム「レキシ」収録の『兄じゃ I Need You』や、更にさかのぼってSUPER BUTTER DOG『FUNKYウーロン茶』を織り込むなど、レキシが横アリに至るまでの道程を振り返るような部分も感じさせられ、その流れは非常にエモーショナル。そのまま「横浜だから開国しよう!」の掛け声に続いて『ペリーダンシング』になだれ込み、ギターを携えたシャカッチと池ちゃんの絶妙なコンビネーションで、会場を大いにわかせた。二日目でも『ペリーダンシング』での健介さん格さん(奥田健介 from NONA REEVES)のギターと池ちゃんのキーボードの共演、パーマネント奉行(真船勝博 from FLOWER FLOWER)のベース・ソロと、バンド隊の見せ場も多い構成や、『Let's忍者』では観客に“Let's忍者”コールさせながら、池ちゃんは「風の谷のナウシカ」のモノマネに徹するという、「何だこれ、横アリじゃなくて新代田FEVERでやることだよ」と自分でツッコむような悪ふざけなど、日によって見どころを変えた流れも印象的だった。

『KMTR645』はアッパーな曲調に併せて、恒例となった「いるかポンポン」こと、いるかの浮き輪が横アリの会場を跳ね回る! 途中、なぜか浮き輪が溜まる場所があり、思わず池ちゃんも「そこになんかあるんか?城みちるがおるんか?」とコメント。そして二日目では元気出せ!遣唐使(渡 和久 from 風味堂)とのいちゃいちゃコントから『墾田永年私財法』を披露し、会場をしっとりとしたカラーで彩る。

ここまで一気呵成に展開してきたライヴ。MCでは階段に寝っ転がりながら「いや~、普段の100倍ぐらい楽しくなっちゃって。でも疲れたから寝っ転がってますけど、本当に感謝してます。ありがとう」と、体勢は横柄、言葉は誠実という、池ちゃんらしい(?)、複雑すぎる表現で会場に感謝の気持ちを伝える。

続く『SHIKIBU』では1日目に劇団シキブ(八嶋智人)が登場(ちなみに劇団シキブは大阪城ホールにも登場!)。観客席を走って半周しながら曲を盛り上げる、が、その手にはちゃっかり3月から東京と大阪で行われる、レキシの楽曲をテーマにした舞台「ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」の告知看板が!さすがの抜け目なさである。

そして会場に下駄の音が鳴り響くと、「ちびっこの皆さん、おまたせしました。アニメの曲です」とアナウンスしてのち『GET A NOTE』。一日目に目玉のオヤジの格好で登場したのは百休さん(TOMOHIKO ex. SUPER BUTTER DOG)……なのだが、その紹介は無しという、アルバム「ムキシ」の初回盤封入DVD「レキシどうでしょう」の罰ゲームとはいえ、鬼のような過酷な扱い。二日目は池ちゃん自身が目玉のオヤジの頭をかぶり、タオルを振りながら会場の熱気を高めた。

ステージが暗転すると、スクリーンには「鶴の恩返し」というテロップが。池ちゃんが一人三役に扮しお代官様役を色黒ホモ・サピエンスが演じた昔話「鶴の恩返し」をモチーフにしたコントの内容を引き継いで、美空ひばりもかくやというような、金ラメの裃に、鳥をモチーフにしたド派手なヘッドセットを付けた池ちゃんが登場。ジャジーな『SAKOKU』をスキャットを織り交ぜて熱唱し、続く『奈良に大きな仏像』では、ディスコティックな音像と、西城秀樹“YOUN GMAN”や海援隊“JODAN JODAN”を思わせるような、「N・A・R・A」というボディ・サインで会場を一体化させた。

そして一旦ステージを降りた池ちゃんがステージに戻ると……著しくアフロの形が変!? 「お気づきかと思いますが、これはアフロのかつらです。形の崩れたアフロは、すぐには戻らない事を今日は覚えて帰って下さい」と、アフロ豆知識を観客に伝える。

曲に合わせたフィスト・アップを要求しながら「ダサい!横アリ、ダサいよ!」と、ツンデレな展開で盛り上げる『KATOKU』に続いて、「あっという間だったね。でも、ここから長い長いアンコールがありますから。でも、あの(ミラーボールの)光を見て下さい。あの一つ一つが武士ですから。徳川家康、織田信長、真田広之……それは俳優か。……このくだりはNHKの『SONGS』でカットされたやつ」と、裏話を交えながら、ラストはもちろん『きらきら武士』。会場に放たれた金銀テープがキラキラと光りながら、会場をピースフルに彩って、最高潮のままライヴは一旦終了。

そして冒頭の映像で登場した、吾作と稲穂の神様のコントに、キャッツン(やついちろう)が加わった映像が披露。それに続いてドラム・ブレイクが響くと、再びステージ中心後方のせり上がりから石川五右衛門に扮した池ちゃんが登場し、曲はもちろん『GOEMON』。そして「この曲のゲストはこの人!」とコールすると、せり上がりには黒のジャケットを身に包んだ姿が! 客席から嬌声が上がる中、満を持して登場したのは……「三浦やいち」こと、やついちろう!

……これほどまでに会場が落胆の声を上げたライヴがあっただろうか、というほどのざわめきとどよめきの中、「だから嫌なんだよ!」と腐る三浦やいちを横目に、「ごめんね」と言いながら笑い続ける鬼のような池ちゃん。とはいえ『GOEMON』を三浦やいちと共にキッチリと披露し、曲は『狩りから稲作へ』へ。再び足軽先生も登場したが、ツッコミ役が二人もいることで恒例の「キャッツ!」パートも伸びに伸び、「新代田FEVERを思い出すわ!いつもよりグルーヴしてる!」と言うほどの悪ふざけを展開する池ちゃん。会場を笑わせ尽くして、アンコールを閉じた。

これが一日目の『GOEMON』~『狩りから稲作へ』の展開。しかし二日目の『GOEMON』で、「この曲は、やっぱりオレ一人じゃ月の灯を盗みに行けないな!ゲストはこの人!」というコールに続いて登場したのは……この日唯一のゲストとなったビッグ門左衛門こと三浦大知! ステージ中央にその姿が現れると、演奏がかき消されるほどの歓声が会場から上がり、会場は総立ちに。そして池ちゃんと共に『GOEMON』を歌いあげ、ブレイク・ダウンのダンス・パートも一緒に踊り、最後は一緒にゴエモンポーズと、スペシャルな展開となった。

「今までのライヴはなんだったんや! みんな門左衛門しか見てないじゃん!」と池ちゃんも思わず言うほどの、鳴り止まない歓声に包まれながら、会場に手を振る門左衛門。そして、池ちゃんの「門左衛門も一緒にどっちが好きか考えて貰っていいですか、縄文土器と弥生土器」と、『狩りから稲作へ』。稲穂コール・アンド・レスポンスをスキャットで歌い上げる門左衛門のあまりの上手さに、池ちゃんも「ガチでびっくりした!心臓止まるかと思ったわ!」と褒め称える。曲中では池ちゃんにおねだりされた門左衛門が自身のヒット曲『EXCITE』まで披露する大サービス!そして最後は、「横アリ、そして門左衛門が好き~」と歌い上げ、大きな歓声に包まれながらスペシャルなコラボレーションは幕を閉じた。

ステージの明かりが消えると、スクリーンには今回のタイトルの元ネタとなった国民的アニメ「まんが日本昔ばなし」のエンディングテーマ『にんげんっていいな』のパロディが流れるが、そこから2018年のJ-POPを歌とダンスで席巻した『U.S.A.』のパロディー『I.N.A.』を、池ちゃん、並びにバンド・メンバーが完全コピー&リメイクするという、衝撃であり笑撃の展開でセカンド・アンコールが開始! あまりの驚くべき展開に、会場の笑い声も収まらない中、元気出せ!遣唐使のピアノに導かれて、ラストは『マイ会津』。一日目はアルバムにも参加している足軽先生とシャカッチも登場し、アルバム「ムキシ」の中でも屈指のエモーショナルな楽曲によって、会場を柔らかな空気に包みこみ、全ての演目を完結させた。

カーテン・コールで三方に軽やかにお辞儀し、ライヴは終了。圧倒的、そして徹底的なエンターテイメント・ショーとして完成した今回の「まんま日本ムキシばなし」。その意味でも、この後のツアーへの期待のハードルも、非常に高まったと感じるほどの素晴らしい出来栄えだったが、その期待と楽しさを、次のツアーで必ず超えてくるのも、またレキシのライヴ。期待してますよ!池ちゃん!

※写真をクリックすると別ウィンドウで表示します
setlist,セットリスト M1.SEGODON
M2.なごん
M3.年貢 for you
M4.Let's忍者
M5.ペリーダンシング
M6.KMTR645
M7.SHIKIBU
M8.GET A NOTE
M9.SAKOKU
M10.奈良に大きな仏像
M11. KATOKU
M12.きらきら武士

EN1.GOEMON
EN2.狩りから稲作へ

EN3.マイ会津
setlist,セットリスト M1.SEGODON
M2.なごん
M3.年貢 for you
M4.Let's忍者
M5.ペリーダンシング
M6.KMTR645
M7.墾田永年私財法
M8.SHIKIBU
M9.GET A NOTE
M10.SAKOKU
M11.奈良に大きな仏像
M12. KATOKU
M13.きらきら武士

EN1.GOEMON
EN2.狩りから稲作へ

EN3.マイ会津
member,バンドメンバー Gt:健介さん格さん(奥田健介 from NONA REEVES)
Piano&Cho:元気出せ!遣唐使(渡和久 from 風味堂)
Ba:パーマネント奉行(真船勝博 from FLOWR FLOWR)
Dr:伊藤に行くならヒロブミ (伊藤大地)
Sax & Flute: TAKE島流し (武嶋 聡)
Trumpet: 元妹子 (村上 基 from 在日ファンク)
guest,スペシャルゲスト 〜横浜アリーナ初日〜
シャカッチ(ハナレグミ)
足軽先生(いとうせいこう)
劇団シキブ(八嶋智人)
やついいちろう
百休さん(TOMOHIKO)


〜横浜アリーナ二日目〜
ビッグ門左衛門(三浦大知)

他のページへ移動

back,戻る