レキシでも金

レキシ誕生から14年の年月を経て実現した 1年ぶり(というか2年連続で!)、2度目となるワンマンライブ「レキシでも」を開催したレキシ。新代田FEVERの約3倍のキャパを擁する恵比寿リキッドルームは超満員! 合戦の開始を知らせる法螺貝が鳴り響くと同時に、紋付袴にサングラス姿のお館さま(池田貴史)がステージに登場。約1000人観客が振る手に応えるお館さまと、いつまで経っても、手を振るのをやめようとしない観客の攻防が続くなか、お館さまの「もういいわ!」のツッコミを合図にライブがはじまった。1曲目は、観客とのおなじみのコール&レスポンスが満載のファンクナンバー「Goodbyeちょんまげ」。サビの<♪バイバイバイ>では高く掲げた右手を左右に大きく振り、キメの「まげ!」では頭の上で全員がまげを作るという、レキシのライブでしか見れない光景が広がる。さらに、バンドが音量を下げて、ウィスパーからクレッシェンドしていく、これまたおなじみの展開に突入。もんたよしのり風のハスキーヴォイスやマイケル・ジャクソン風のシャウト、「ラスカル飼いたい……」という心の叫びも飛び交うなか、1曲だけですでに15分が経過。続く、「妹子なぅ」ではセリフパートに笑いが起きるものの、普段はセンターで歌っている元気だせ!遣唐使(渡和久from 風味堂)によるコーラスの追走に助けを借りて爽やかに駆け抜けた。

「のっけから本当に暑いね。おじちゃん、今日のこの日が楽しみ過ぎて、ゴールデンウィークっていうことで『レキシでも』というタイトルをつけたんだけど……」と、すでに汗だくで、マイクスタンドに手をつきながら語ったあと、「いや、全然リラックスしてますけど! 家にいる気分でいますけど!!」と強がり、なぜか、アカペラで歌い始めたもののけ姫のテーマソングを経て、「こんな状況をどげんかせんといかん!」という小芝居から、「どげんか遷都物語」へ。甘くせつないファルセットを響かせたスロウジャムでは、親方さまと遣唐使の泣きのソロから、<♪どげんか遷都>のコール&レスポンスを経て、ビートを変化させる粋な展開。「うん。音楽的だった。非常に音楽的だったわ」と納得の表情をみせた親方さまは、ここで一人目のゲストとして、シャカッチを呼び込む。ノリノリのハイテンションでステージにあがったシャカッチを加え、2曲を披露。ステージ上が煙幕のようなスモークで視界不良となった「Let's 忍者」では、歌詞に合わせてまきびしを踏む仕草も見せたお館さまが、シャカッチのギターソロに「生き生きしてるわ!」と感嘆。最後はゆるめのアカペラによる「にんじゃ〜」の合唱で締めたあと、お館さまとシャカッチによる「いいな〜、いいな〜、井伊直弼」&「どうしよう、どうしよう、どうしよう(大塩)平八郎(の乱)」のコンビ芸を、観客はあたたかい拍手をもって見守った。そんなお客さんに対し、親方さまは「みんなの半分は優しさで出来てるから、今日からレキシのファンを"バファリンたち"と呼ぼう」と命名。志村→ビートたけし→Winkと展開したセリフからはじまる「ペリーダンシング」ではライブハウスが一転してディスコに様変わり!

異様な盛り上がりを見せるなか、お館さまのソロ〜シャカッチのワウギターを経て、名曲「FUNKYウーロン茶」のコール&レスポンスが飛び出す、まさかの展開に。あまりの盛り上がりに、曲中に烏龍茶のペットボトルが差し入れされていたことに気づかず、シャカッチ退場後に一気に飲み干す親方さま。続く「ホトトギス」の前に、「いっぱい笑うためにたくさん泣いて(鳴いて)くださいっていう曲です」と紹介し、バンドでの演奏は初めてというR&Bナンバーを美しい歌声でしっとりと聞かせた。

「よし! もうこっからは自由だ! おれは自由だー!!!!」という叫びでスタートした後半は、文字通り、自由奔放なパーティータイムの様相に。MC四天王(Bose from スチャダラパー)とMC末裔(ANI from スチャダラパー)が登場した「そうだレキシーランドいこう」では、同期用のパソコンとお館さまお手製のカンペが導入された。「今夜はブギーバック」や「GEE」(少女時代)を歌うものの、なかなか本題に入らずに四天王がイライラする一幕もあるなか、楽曲が始まるや否や会場は熱狂し、ラララの大合唱も巻き起こった。「きらきら武士」では、看護婦姿で現れ、観客をがっかりさせた昨年に引き続き、柔ちゃんに扮したDeyonna(仮)(やついちろう)が登場。「大外刈り!」や「内股!」のコーラスに、親方さまが「うるさいわ!」とツッコミ、ソロをとる親方さまの奥襟をとろうとするなど、様々な動きで会場を湧かせた。さらに、「先生を通り越して親です」と紹介された足軽先生(いとうせいこう)に加え、シャカッチを再び呼び込み、淡谷のり子のモノマネを挟んで、「歴史ブランニューディ」のラテンジャズバージョンを披露。おしゃれな風を吹かせたのもつかの間、最後は、「レ」(足軽)/「キ」(お館様)/「シ」(シャカッチ)の人文字で決め、観客を笑わせた。

ここで、お館様が「ありがとうございます。本編最後の曲です。汗だくにまみれてますが、実は超感動してます」と素直な気持ちを述べた。そこに、四天王が再登場し、足軽先生との下克上ラップバトルが突如、勃発。1フレーズずつ交互にフロウするも、最後は仲良く「暮らし安心、クラシアン!」で決めると、法螺貝の音とともに稲穂マン4号(ANI)が現れ、みんなで「いなほーうぉー」のコール&レスポンスの後「イナバウワー」から「しずかちゃん」という展開に持っていく。すでにライブレポートだかなんだか分からなくなってきたので、このあとの高床式→高岡早紀/高床式→劇団四季→キャッツのくだりは省略するが、最後はステージ上のメンバーも含めた全員での合唱&手拍子&ジャンプで本編は終了。この時点で21:45。最後の曲だけで30分、全10曲で2時間30分というステージであった。

アンコールにひとりで登場したお館さまは、「歴史は学ぶんではない、遊ぶんです。遊びながら学んでください……学ぶって言っちゃった……」とレキシの活動の本質を語ったあと、「歴史と遊ぼう」を弾き語りで歌った。そして、ライブ前のインタビューで「ワンマンライブをやる以上、新曲をぶっこんでいきます!」と宣言していた通りに、新曲「LOVE弁慶」を初披露! 一瞬だけ「Let it be」の替え歌「REKISIHI」も飛び出したが、本当の新曲は、弁慶と牛若丸を主人公にした疾走感あふれる熱いロックナンバー。メロウな横揺れファンクが多いレキシにとっては新鮮な楽曲で、会場もタテノリで大盛り上がりとなった。そのままラストナンバー「LOVEレキシ」につなぎ、最後はみんなで<どはドーナツ/れはレキシ>の大合唱。「なんもいうことないですわ。ありがとうございます」とだけあいさつし、ゲストも含めた全員で深々とお辞儀をして、2度目のワンマンライブの幕は閉じた。トータル3時間におよんだ演奏時間の長さを感じないほど楽しく、一時たりとも目の離せないステージだったことはもちろん、4年に一度という長いタームでアルバムを発表しているレキシの新曲が聴けたという意味でも金をあげたい、有意義な黄金週間であった。