もう〜い〜くつ遺跡めぐると〜お正月?

ここまでで約1時間。息を切らした池田がひと呼吸を置こうと無言になると、会場が「なにか面白いことを言わないのか?」という空気でざわつきはじめた。「ハナレグミだったら無言でもなにも言わないでしょ! なんでしゃべんないといけないんですかね」と愚痴り、「2分半の活動休止」という名の無言タイムを経て、「……ああ、もうがまんできない!」といって、MCをはじめた。「4以上はたくさんって数える」というアラフォーしか分からないアニメ『南の島のフローネ』ネタで観客をいじりながら、次に演奏する新曲について語った。
「呪われた印籠ケースにまつわる曲でございます。とあるキャリアウーマンが仕事にも恋にも疲れ果てて……そんな曲ではございません(笑)。水戸黄門が印籠をなくしてしまった歌です」という前置きのあとで披露した「僕の印籠知りませんか?」は、"僕"の戸惑いや焦り、心の叫びをエモーショナルに歌い上げる、ストイックなソウルナンバーとなっていた。夏に開催されたワンマンライブ「BUSHI★ROCK FESTIVAL」で初披露されたディスコナンバー「REKISHI DISCO」に続く新曲の発表に、大きな歓声と拍手が巻き起こりながらも、これまでにないほど、その歌声に静かに耳を傾け、じっくりと歌を味わっている観客が多いのが印象的だった。

本編は、渡、奥田、鈴木の3人によるピアノ連弾が大いに盛り上がった「ハニワニワ」〜「ルパン3世のテーマ」からライブのラストを飾る定番曲となった「きらきら武士」で終了した。
そして、アンコール後に待っていたのが、冒頭で触れた2つ目の変化だ。アンコールを求める声に応え、劇場のようなブザー音に続いて、"劇団レキ四季"による寸劇がはじまった。「狩りから稲作へ」を戯曲化したもので、配役は毎回、くじ引きで決定される。ミュージシャン仲間からは「ギャラ、2倍もらった方がいいんじゃない?」という声も出てるそうだが、レキシの本気度は強く、自身の登場も正面から出てくるかと思いきや、上手の鏡餅がかぶり物になっているという凝った演出となっていた。寸劇から自然な流れで演奏をはじめ、恒例の「公文式」「高岡早紀」「劇団四季」のコールに加え、マイケル・ジャクソン「Beat It」や映画泥棒、さらにジャズダンスまでフィーチャーしたあと、メンバーは再び役柄に戻り、鏡餅の神様となったレキシによる「これにて一件落キャッツ!」というセリフで締めた。ここで飛び出したのが、「劇団一同、より演技を磨いていきたいと思います!」という言葉だった。さらに、観客全員での大合唱となった「LOVEレキシ」でフィナーレを迎えたあと、「回を増すごとにたくさんの人が来てくれて嬉しいです」と感謝の言葉を述べ、「寸劇とか、またいろいろ試していくので、これからも応援よろしくお願いします!」と続けた。そこは、寸劇じゃなく、アルバム製作とか次のライブじゃないのか、と心の中でつっこんだ人も多かったはず。ゲスト制を廃止し、夏に続いて新曲を発表しながらも、なぜか劇団を立ち上げたレキシがどこに向かうのか——。
次のワンマンライブまで、全く予想がつかず、少し困惑している。